目次

「化粧も着附けも、化物のような気がした」

Page Type Example
Example ID a1032
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 39-40

Text

実際その女の隣りに居ると、私は今まで得意であった自分の扮装を卑しまない訳には行かなかった。表情の自由な、如何にも生き生きとした妖女の魅力に気圧されて、技巧を尽した化粧も着附けも、醜く浅ましい化物のような気がした。

Context Focus Standard Context
化物 自分の扮装

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 化け物 = 扮装 扮装=怪物

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B も-既知のものと同様(主語)
2 B の[ような気がした] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ような[気がした] 様-類似-連体形
4 B [のような]気[がした] 気(き)
5 B [のような気]が[した] が-主語
6 B [のような気が]し[た] する(する)
7 B [のような気がし]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
対照法・対照 (antithesis) 自分の扮装姿が醜いのが、妖しい色気を醸す女性とは対照的であることを表現する。
人物描写 (description of a character) 非人間的であり美しさを持たない「化物」と表象することで、自分の扮装姿が醜いことを描く。