目次

「なもした何だ。菜飯は田楽の時より外に食うもんじゃない」

Page Type Example
Example ID a1016
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 56

Text

『篦棒(べらぼう)め、イナゴもバッタも同じもんだ。第一先生を捕まえてなもした何だ。菜飯は田楽の時より外に食うもんじゃない』とあべこべに遣り込めてやったら『なもしと菜飯とは違うぞな、もし』と云った。

Context Focus Standard Context
菜飯 (なもし) は田楽の時より外に食うもんじゃない

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 言葉 言葉=飯

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
類音反復・類音語接近 (paronomasia) 「なもし」という語尾の音に似た「菜飯」に話題をシフトしている。内容的には連関が無いにもかかわらず、菜飯についての主張を、なもしの話題について「遣り込めてやった」という根拠としている。
ユーモア (humour) 菜飯田楽は、米の飯に大根葉を乾燥させ炊き込んだものと味噌田楽を合わせた料理。「なもし」から「なめし」を類音性にもとづいて連想し、「菜飯」から「田楽」を食の慣習から連想している。この連想の連鎖は言葉遊びに近いが、論理的な説得力をもつかのように話しているところにおかしみがある。