目次

「谷あいの秋色(しゅうしょく)は素晴らしい眺めであった」

Page Type Example
Example ID a0988
Author 谷崎潤一郎
Piece 「吉野葛」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 287

Text

そう云う訳で、その谷あいの秋色(しゅうしょく)は素晴らしい眺めであったけれども、足もとばかり視詰めていた私は、おりおり眼の前を飛び立つ四十雀の羽音に驚かされたくらいのことで、耻かしながらその風景を細叙する資格がない。

Context Focus Standard Context
谷あいの秋色 (秋色の谷あい) は素晴らしい眺めであった

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 秋色 > 谷あい 夕景色>谷

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
図地構成 (figure-ground organization) 「秋色の谷あい」を反転しているように感じられる。「秋色」を主要部とすることで、換喩的な表現となり、谷あいの色彩的な側面が際立つ。
前景化 (foregrounding) 谷の眺めがすばらしかったのは、谷が秋の紅葉に満ちていたためであることを強調している。