「彼等にとつては、空気の存在が見えないやうに、五位の存在も、眼を遮らないのであらう。下役でさへさうだとすれば、別当とか、侍所の司とか云ふ上役たちが頭から彼を相手にしないのは、寧ろ自然の数(すう)である。」