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「広庭一面、灰色のものが罩(こ)めた」

Page Type Example
Example ID a0904
Author 芥川龍之介
Piece 「芋粥」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 78

Text

釜の下から上る煙と、釜の中から湧く湯気とが、まだ消え残つてゐる明方の靄と一つになつて、広庭一面、はつきり物も見定められない程、灰色のものが罩(こ)めた中で、赤いのは、烈々と燃え上る釜の下の焔ばかり、眼に見るもの、耳に聞くもの悉く、戦場か火事場へでも行つたやうな騒ぎである。

Context Focus Standard Context
灰色のもの 釜の下から上る煙と、釜の中から湧く湯気 が罩めた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 灰色 > ねずみ色>煙
2 灰色 > 湯気 ねずみ色>湯煙

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
図地構成 (figure-ground organization) 煙と湯気が混じり合った空気について、その色という特性が際立って感じられたという印象を与える。
風景描写 (scene-description) 「煙」や「湯気」と明示的な表現が選ばれていないことから、眼前の風景が不明瞭であったという印象を与える。