目次

「鳶が胡麻粒ほどに小さく見える姿」

Page Type Example
Example ID a0784
Author 中島敦
Piece 「名人伝」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 17

Text

ちょうど彼等の真上、空の極めて高い所を一羽の鳶が悠々と輪を画いていた。その胡麻粒ほどに小さく見える姿をしばらく見上げていた甘蠅が、やがて、見えざる矢を無形の弓につがえ、満月のごとくに引絞ってひょうと放てば、見よ、鳶は羽ばたきもせず中空から石のごとくに落ちて来るではないか。

Context Focus Standard Context
胡麻粒 小さく

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ごま = とんび わし=調味料

Grammar

Construction AほどにB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A ほど[に] B ほど-動作や状態の程度
2 A [ほど]に B に-行われ方・あり方
3 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
含意法 (implication) 鳶という比較的大型の鳥が胡麻粒ほどに小さく見えることから、鳶が空高く飛んでおり、人間の眼には極めて小さく映っていることを含意する。