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「細い月が、まるで爪の痕かと思う程、かすかに白く浮んでいる」

Page Type Example
Example ID a0709
Author 芥川龍之介
Piece 「杜子春」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 166

Text

しかし杜子春は相変らず、門の壁に身を凭せて、ぼんやり空ばかり眺めていました。空には、もう細い月が、うらうらと靡いた霞の中に、まるで爪の痕かと思う程、かすかに白く浮んでいるのです。

Context Focus Standard Context
爪の痕 細い月 かすかに白く浮んでいる

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 月=跡

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A が[まるで] C が-主語
2 A [が]まるで C ちょうど(ちょうど)
3 B か[と思うほど] C か-推定
4 B [か]と[思うほど] C と-内容指定
5 B [かと]思う[ほど] C 思う(おもう)
6 B [かと思う]ほど C ほど-動作や状態の程度

Pragmatics

Category Effect
主観化 (subjectification) 霞の中にほのかにみえる月の様子を、肌にある微かな痕によって表し、力動的な因果関係によって捉えている。