目次

「衣装の下に自分を潜ませながら」

Page Type Example
Example ID a0507
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 35-36

Text

人間の瞳を欺き、電燈の光を欺いて、濃艶な脂粉とちりめんの衣装の下に自分を潜ませながら、『秘密』の帷(とばり)を一枚隔てて眺める為めに、恐らく平凡な現実が、夢のような不思議な色彩を施されるのであろう。

Context Focus Standard Context
自分を 潜ませ (隠し)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 潜む = 隠れる 隠れる=潜む

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 自分本来の姿ではなく、本当の自分は衣装につつまれて外からは見えないように隠されているということが描写されている
心理描写 (psychological-description) 「濃艶な脂粉とちりめんの衣装」を本当の自分を隠すための場所として捉えているという主観的認識が表明されている。
category 外見と本質とを分け隔てる表現。