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「渓合(たにあ)いへ溢れ込む光線の中」

Page Type Example
Example ID a0469
Author 谷崎潤一郎
Piece 「吉野葛」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 234

Text

『繚乱』と云う言葉や、『千紫万紅』と云う言葉は、春の野の花を形容したものであろうが、ここのは秋のトーンであるところの『黄』を基調にした相違があるだけで、色彩の変化に富むことはおそらく春の野に劣るまい。そうしてその葉が、峰と峰との裂け目から渓合(たにあ)いへ溢れ込む光線の中を、ときどき金粉のようにきらめきつつ水に落ちる。

Context Focus Standard Context
溢れ込む (差し込む) 光線

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 光=水
2 あふれる = 差す 差す=あふれる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) 容器に開いた穴から一斉に流れ込んでくる水の速さや力強さのイメージによって、日の光が峰の間から渓合に勢いよく入ってくる様子が描かれている。
自然描写 (description of nature) 日の光が峰の間から渓合に勢いよく入ってくる様子が描かれている。