目次

「明哲保身主義が本能としてくっついている」

Page Type Example
Example ID a0412
Author 中島敦
Piece 「弟子」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 80

Text

そう言われれば一応はそんな気がして来るが、やはり釈然としない所がある。身を殺して仁を成すべきことを言いながら、その一方、どこかしら明哲保身を最上智と考える傾向が、時々師の言説の中に感じられる。それがどうも気になるのだ。他の弟子達がこれを一向に感じないのは、明哲保身主義が彼等に本能として、くっついているからだ。

Context Focus Standard Context
明哲保身主義が くっついている (備わっている)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 くっつく = 備わる そろう=付く

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 明哲保身主義という思想が、物理的な粘着性や吸着力をもって、弟子たちの本能と力強く結びついているかのような、力動的印象を与える。