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「機躡(まねき)が忙しく上下往来する」

Page Type Example
Example ID a0382
Author 中島敦
Piece 「名人伝」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 9

Text

飛衛は新入の門人に、まず瞬(またた)きせざることを学べと命じた。紀昌は家に帰り、妻の機織台(はたおりだい)の下に潜(もぐ)り込(こ)んで、そこに仰向(あおむ)けにひっくり返った。眼(め)とすれすれに機躡(まねき)が忙しく上下往来するのをじっと瞬かずに見詰めていようという工夫である。

Context Focus Standard Context
機躡が 忙しく (止まることなく) 上下往来する

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 人間 = 機織り 織り=人間

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 語り手にとって、機織りが自律的に働く主体のように感じられる。
兼用法・異義兼用 (syllepsis) 機織りを動かす「妻」が忙しそうである、という解釈もできる。