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「やっぱり正体のある文字だと感心した」

Page Type Example
Example ID a0322
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 93

Text

おれは君子という言葉を書物の上で知ってるが、これは字引にあるばかりで、生きてるものではないと思ってたが、うらなり君に逢ってから始めて、やっぱり正体のある文字だと感心したくらいだ。

Context Focus Standard Context
正体のある (その語にふさわしい指示対象が存在する) 文字

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 正体 = 対象 対象=実体

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

ことばの指示対象を人物の本来の姿にたとえることで、「君子」という語の本来の指示対象がそれまでは隠されていて不明であった、という認識を表している。 |

過大誇張 (auxesis) 実体のある言葉というイメージが高まる。
アナロジー・類推 (analogy) 仮の姿と本来の姿のある人物になぞらえることで、「君子」という語にも同種の二面性があることが示されている。
擬人法 (personification) 人になぞらえることで、「君子」という語が相手や場合によって姿を変えるかのような印象を与える。