目次

「おれを間(あい)のくさびに一席伺(うかが)わせる気なんだな」

Page Type Example
Example ID a0219
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 188

Text

『それに先だって古賀が去ってから、まだ後任が事故のために到着(とうちゃく)しないだろう。その上に君と僕を同時に追い出しちゃ、生徒の時間に明きが出来て、授業にさし支(つか)えるからな』『それじゃおれを間(あい)のくさびに一席伺(うかが)わせる気なんだな。こん畜生(ちくしょう)、だれがその手に乗るものか』

Context Focus Standard Context
おれを くさび (間に合わせ) に一席伺わせる気なんだな

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 くさび = 間に合わせ 代理=くい

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 自分の役割があくまで後任の着任までの間を埋め合わせる暫定的なつなぎに過ぎず、その意味で自分は正当な評価を受けていないという認識が示されている。
アナロジー・類推 (analogy) ものとものとをつなぐというくさびの役割・機能を引き合いに出すことで、前後の担当者をつなぐのが自分の役割であるということがわかりやすくなっている。