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「わんわん鳴けば犬も同然な奴」

Page Type Example
Example ID a0200
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 155

Text

『じゃ何と云うんだ』『ハイカラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師の、猫被(ねこっかぶ)りの、香具師(やし)の、モモンガーの、岡っ引きの、わんわん鳴けば犬も同然な奴とでも云うがいい』『おれには、そう舌は廻らない。君は能弁だ。第一単語を大変たくさん知ってる。それで演舌(えんぜつ)が出来ないのは不思議だ』『なにこれは喧嘩けんかのときに使おうと思って、用心のために取っておく言葉さ。演舌となっちゃ、こうは出ない』『そうかな、しかしぺらぺら出るぜ。もう一遍やって見たまえ』

Context Focus Standard Context
わんわん鳴けば

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 悪人 人非人=犬

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B ば-習慣、反復的事象
2 B も[同然なやつ] も-強調
3 B [も]同然な[やつ] 同じ(おなじ)
4 B [も同然な]やつ 人間(にんげん)

Pragmatics

Category Effect
評価 (evaluation) 相手を罵るに際して、非人間である犬を持ち出すことで相手に対する低い評価性を強く打ち出す。
ユーモア (humour) 「ペテン師」「猫被り」など、人間を貶める表現の列挙に、時折「モモンガー」「犬」などの動物が混じることによって、罵倒のなかにおかしみが感じられる。