目次

「一掴みと躍りかかった大蛸は」

Page Type Example
Example ID a0152
Author 中島敦
Piece 「夫婦」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 220

Text

エビルの慧眼(けいがん)が夫の顔色の変化を認めない訳がない。彼女は直ちに其の原因を突きとめた。一夜、徹底的に夫を糺弾(きゅうだん)した後、翌朝、男子組合のア・バイに向って出掛けた。夫を奪おうとした憎むべきリメイに断乎としてヘルリスを挑むべく、海盤車(ひとで)に襲いかかる大蛸(おおだこ)の様な猛烈さで、彼女はア・バイの中に闖入ちんにゅうした。  所が、海盤車(ひとで)と思った相手は、意外なことに痺れ鱏(えい)であった。一掴みと躍りかかった大蛸は忽ち手足を烈しく刺されて退却せねばならなかった。

Context Focus Standard Context
大蛸 (エビル)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 たこ = 人間 人間=軟体動物

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 夫を奪おうとした相手を一方的に糾弾し打ち負かそうとしたものの、予想に反して相手からの反撃にあい、敗北を喫してしまった無残な様子が、ヒトデと誤認してシビレエイに襲いかかったタコが敢えなく刺されて退散するイメージによって、分かりやすく表現されている。
寓意・アレゴリー (allegory) 直前の「海盤車」「痺れ鱏」に連なる比喩。