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逆行写像構文
以前のリビジョンの文書です
逆行写像構文
Description
逆行写像構文は、換喩的なSourceからTargetへの写像関係が喚起されるにもかかわらず、文法的な機能によってTargetからSourceへの焦点シフトも同時に喚起される構文を言う。例えば、(1) は、「背」だけが文字通りに走ることはないという意味で、背という身体部分で獣の全体を表す換喩であると言える。つまり、背>獣という換喩的写像が認められる。同時に、「AのB」という文法構造は、AからBにイメージの焦点を絞る機能があり、獣全体から背の部分にイメージを絞る効果が生じる。この意味で、(1) では換喩が文法に逆行している。
- (1) 「獣の背は走つて行く」
逆行写像構文の用例は、「SのT」という構文のかたちでしばしば観察される。同様の例としては他に、「老人の何も知らない手」などがある。ある存在の部分全体関係が問題になる用例がある一方で、(2) のように、ある存在とその属性の関係が問題になる場合もある。
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Examples
最終更新: 2019/09/26 16:44