「善人は気楽なもので、父母兄弟、人間共の虚しい義理や約束の上に安眠し、社会制度というものに全身を投げかけて平然として死んで行く。だが堕落者は常にそこからハミだして、ただ一人曠野（こうや）を歩いて行くのである。」（坂口安吾「続堕落論」: 239）

• 暗示引用的　同著者の「堕落論」の「曠野」の比喩の暗示引用。「文学の道とはかかる曠野（こうや）の流浪である」などを参照。